まるで夢遊病患者のように、気がついたらフェラーリテスタロッサの売買契約書にサインをしてしまった俺。
不安と現実
店を出てNSXの助手席に座る俺と兄との会話
「やったな、とうとうフェラーリ買ったな、これでお前も晴れてフェラーリオーナーだ!良かったな。」
「うん、でも、良かったんだろうか?俺ごときがフェラーリなんかに乗って、俺に乗りこなせるか心配だし、
あれって、めっちゃかっこいいじゃん!盗難されないか、傷つけられないか、なんか、不安がよぎる。」
「お前さあ〜、買う前に散々その辺は勉強してたんだろう?それも含めてフェラーリだって、しょっちゅう言ってたじゃん!」
「そりゃ、そうだけど・・・」
フェラーリを買ってしまったことへの非現実感と、今運転しているNSXとの別れが現実化すること、
一介の平凡なサラリーマンの身分でスーパーカーを乗り継ぐ事への、僅かながらの罪悪感、いろいろな思いが頭の中で交錯していた。
購入準備
実家に着くとNSXを車庫に入れ、これから始まるフェラーリとの生活に向けて、準備すべきことをリスト化することにした。
準備リスト
- 屋根付きシャッター付きガレージの確保
- 保険
- 購入資金の確保
- 支払い方法の確認
- 車体カバーの購入
元来心配性な俺は、フェラーリを買うと決めた瞬間から、名著「そのフェラーリください」に書いてあった通りの、必要事項をリスト化してみた。
屋根付きシャッター付きガレージ?これって、やっぱり必要なんだよね?でも、実家のガレージは古い納屋を改造したやつで、とてもシャッターなんかつけれない。
ということは、ガレージ自体を一から作らなくてはいけないって事か?
早速、本屋で(当時はインターネットなんかやってるのはパソコンオタクだけ)ガレージについて勉強。
どう考えても、屋根付きシャッター付きガレージとなると、3桁は必要と書いてある。
俺の預金残高はいくらだっけ?フェラーリの頭金くらいは用意しとかないといけないし、どうする?親父に借りるか?
しかし、家賃も払えない息子がまたしてもスーパーカーを買って、しかも、フェラーリと聞いたら、呆れられてしまうに違いない。
困った!
うーん、早速、準備リストの1つ目でつまずいてしまった俺は、最悪、ボディカバーをかけてフェラーリを納屋にしまいこむ自分をイメージしてしまい、絶望の淵に立たされた。
神の声再び
そんな時、「おーい、親父が新しくベンツ買うからガレージ作り直すんだってよ。せっかくだから、シャッター付けてもらったら?」と、またしても神の、いや、兄の声。
へっ!そうなんだ!ラッキー!神は我を見放さなかった!神様いつもありがとうございます。
そんなこんなで、偶然とは恐ろしいもので、親父と息子が同時期に車を買い替え、しかも、ガレージを作り変える事も叶った。
ただ、社会人として、親に甘える訳にはいかないので、ガレージ建設費用は親父と折半する事にした。
スーパーカー保険?
ふう〜、これでリストの1つ目はクリアだな。次は保険だ。
今のNSXの保険をそのまま引き継ぐ形になるが、果たして、保険屋がどんな顔をするかな、何しろ普通の車じゃないから。
「あの〜、もしもし、○○ですけど、今度車を買い替えるので見積もりお願い出来ますか?」
「はい!いつも○○様にはお世話になっております。NSXはまだ、2年くらいでしたよね?アコードの方でしょうか?」
アコードは下駄代わりに使っているアコードセダンである。
「いや〜、実は、NSXを売ろうと思ってですね〜^ ^」
「えっ!NSXを手放すんですか〜?もったいないですよ〜、この間ドレスアップしたばかりじゃないですか〜、で、次はどん車を考えていらっしゃるんですか?」
俺はここで唾をごくりと飲み込んで
「はい、フェラーリテスタロッサを考えています」
「フェ、フェ、フェラーリですか!?」
「はい、でも中古ですよ。兄の知り合いが売ってくれるそうなので、何か問題がありますか?」
「・・・。えーっと、フェラーリはうちでは扱った事がないので、少しお時間を頂かないと、申し訳ありません。」
やはり、予想通りの反応だった。保険屋もたじろぐ、強大なパワーを持つスーパーカーフェラーリ。
きっと、保険料もスーパーにちがいないと確信した。
それから、一日千秋の思いで保険屋からの返事を待つ事になった。
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フェラーリ購入準備その2 フェラーリの保険料は軽自動車一台分!
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